- 作者: 田中芳樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/07/15
- メディア: 文庫
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何となく全体的にせっかちというか展開が早すぎてちょっと違和感が有る。
人物描写は田中芳樹先生ですので十分な量と思えるんですけど。
たとえば汽車がどこに行くのかよく分からなくて不安だと言うときに、小学生の女の子が昔来たことがあるかもしれないってだけで詰問したり責任を押しつけたりする発想になるだろうか? 集団ヒステリー的な状態なのかもしれないけどちょっとなぁ、と。
他にも100km近く曲がりもしない汽車の行程からここは日本ではない、と結論づけたり。もしそういう知識があってもそういう結果にはなかなかたどり着けないのが常識に囚われた人間としては自然な気が・・・。
ストーリーとしては納得できるし面白かったんだけど、そういう細かいところで変に感情的だったり冷静だったりする感じがどうも私の肌感覚と違った。主人公の責任感とやらも、何でそこまで強いのかちょっと理解できない。自分が見ず知らずの女の子とであってその子のために命張れるだろうか・・・。たぶん無理。
周囲の人間が財貨区間から自滅していくなか、主人公だけは冷静だったりして、その辺が来夢の力(?)の影響なのかどうなのかもよく分からない。
なんだか訳ありの人ばかりが集まったメンバーのような中で主人公はそんなに加害者意識も被害者意識もなかったのが不思議。
ちょっと全体的に駆け足感がある話だったけど一気に読めた。何となく前に読んだことあるかも? という気もしてきたw
ふくやまけいこさんのイラストは、作品の世界を壊さずいい感じでした。表紙の来夢が可愛い。