スナックelve 本店

バツイチ40代女の日記です

解放

北海道はとても暑い日だったようだ。

祖母が亡くなった。96歳だった。寝たきりの肉体から解放されて彼女の魂はどこにあるだろう。
生まれた岩見沢(だったかな?←岩内だったかもw)? 養女だったとしか知らない。
嫁に行った小樽? 小樽の親戚とは縁遠い。
私の故郷? なんでそこに祖父母がいたのかを私は知らない。

春の終わり。彼女が封印していた相続問題が目覚める。

肉体という牢獄

母方の祖母シリーズ。
祖母と最後に意味のある会話をしたのはなんだったろうか・・・。
記憶にあるのが半身不随になった祖母の手をさすりながらした会話。
エルベ「おばあちゃん、痛いところないかい?」
祖母「歳をとるとねぇ、もうあちこち痛いんダァ」
エルベ「(^◇^;)」

その痛さを感じたままの20年だったのかなぁ?

息子を亡くし、夫を亡くし、体の自由をなくして、その辛さを感じたまま20年頑張ってるのかなぁ?

できれば・・・神経がちょっとずつ麻痺して、昨日感じた痛みを感じない今日になっていて欲しい。
できれば・・・精神がちょっとずつ壊れて、意識レベルが低下した状態で眠っていて欲しい。

もう痛くない。もう辛くない。そうあって欲しい。
ただのエゴだとは思うのだけど。

祈るのが遅かったけど。
胎児の前の状態へそっと帰れますように。

情熱キッスを君に

小さい頃、同じ市内に住む母方の祖父母の家に行く事がちょくちょくあった。
祖母の家には従兄弟がいて、一緒に遊ぶのは楽しかったけど、騒ぎすぎたり、大人の会話に参加しすぎると家に帰ってから母にこっぴどく叱られた。

祖父母と従兄弟が「家族」なのに対して、外孫の私たちは「お客様」だったように思う。いつも「大歓迎」され、帰るときには雪の中でも外に出てきて、見えなくなるまで手を降ってくれていた。

楽しい祖父母の家だが苦手なことがあった。祖母のキッスである。
祖母は私をみると駆け寄り、頬にキッスをしてくるのだ。大袈裟に息を吹き付けて「ぶー」っと音を立てるそのキッスが私はとても下品に感じて嫌だった。時に泣いて嫌がった。大人たちが笑うのが、また許せなかった。

それから30年以上の時が過ぎた。
その内20年を寝たきりで祖母が過ごしていると言うことを、今書いていて何度も数えてしまった。
私と祖母が共有した時間の短さよ!

今回、祖母におそらく最期の挨拶をするために北海道に帰った。
私はひとつ企んでいた。
ばぁちゃんに、ぶーってキッスをしてやろう。仕返してやろう。
もらったもの、何も返せなかったから。
キッスくらい返そう。

施設の入り口に、アルコールとマスクがあった。

ああ、ばぁちゃん。本当に何も返せないよ。ごめんね。ありがとう。

最後まで薄情で、ごめんね。

優しい人の地雷を踏んだっぽい

祖母に会ってくる話をしていて、穏やかな社員さんが「どうだった?」と聞いてきた。
祖母は寝たきり20年。もう私のことはわからないだろう。彼女の魂がどこでどうなってるのかは想像できない。
思わず過去形で頑張ったと評したら怒られた(;´Д`)<さーせん
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祖母はまだ生きています。

余談
まだ詳しく書く時期ではないのだけど、ちょこっと・・・。
祖母には4人子供がいて、長男が他界。長男には3人の子供がいて、彼らが相続人となる。
祖母の家には祖母の長男(故人)の嫁とその娘とその娘の子が住んでいる。

私から見ると伯父、母、叔母間の不調和と、従兄弟間の不調和が大きくなってきている。
なんだか、ざわざわしていた。
前かいたヤツ
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